流行中のインフルエンザと風邪の違いは? 現役医師がわかりやすく解説

日本では珍しく5、6月になって、インフルエンザが流行してきている。

また、季節の変わり目や梅雨の時期ということもあり、風邪など体調を崩す人も目立つ。

今回は、インフルエンザと風邪の見分け方やインフルエンザワクチン、治療法について解説する。

インフルエンザは突然症状が出る

インフルエンザは、寒気がして38℃以上の高熱が出る。

また、関節痛や筋肉痛、頭痛がする、全身倦怠感、食欲がわかない、などの症状が急激にあらわれる。

これに対して風邪は、少しずつ症状を自覚することが多い。

なんとなく体がだるい、鼻水が出る、のどが痛いなどの症状だ。

全身に症状が出やすい

インフルエンザは風邪に比べて、全身に症状が出やすい。

風邪には、風邪の3大症状がある。

のどの痛み、鼻水、咳だ。

どの症状も、のど、鼻あたりの近いところ(上気道)に、風邪のウイルスが感染して発症する。

この3つの症状が、同じくらいに出現していれば、風邪の可能性が高い。

インフルエンザでは、咽頭痛、鼻水、咳の3つに加えて、全身のだるさ、筋肉痛、関節痛、高熱が出やすい。

ワクチンを接種した場合は?

インフルエンザのワクチンの効果は、接種してから1ヶ月でピークを迎え、3ヶ月あたりから効果が薄れはじめる。

5ヶ月ほどは効果があるという報告もあるが、現場で働いていると、2〜3ヶ月ぐらいが相場ではないかと思う。

ワクチンを打つと、ざっくり言えば2人に1人感染せずにすむ。

そして30%程度の確率で、肺炎などの重症化を防ぐことができる。

また、出る症状もマイルドになる印象だ。

基本は免疫力を高めること

インフルエンザにかかっても、風邪になっても、どちらも基本的には自分の免疫でしか治せない。

インフルエンザのお薬は、ウイルスが増えるのを抑えるだけで、ウイルスを倒すわけではない。

しっかりと栄養のある消化に良いものを食べ、睡眠をとり、脱水にならないように水分をとるのがおすすめだ。

そして、周りにうつさないように、マスクなどの感染予防をして欲しい。

症状が出てから、5日間は感染力があるといわれている。

そのため、学校は出席停止になるが、大人もできれば外出を控えるのがおすすめだ。

執筆者:あやたい

医療制度や医療職・医療現場が抱えるさまざまな問題について考える医師。

日々変わっていく医療現場から生の声や、日常に役立つ医療知識を発信したいという思いで執筆。

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