
食事・睡眠・運動を少し変えるだけ 胃腸と肝臓を守る新習慣とは
最近、胃もたれや便秘、腹痛、胸やけが続いていないだろうか。つい「食べすぎかな」「疲れのせいかも」と見過ごしがちだが、こうした不調の背景には、食事、運動不足、睡眠、飲酒など、日々の生活習慣が深く関わっていることがあるようだ。
今回は、脂肪肝や生活習慣病の診療に力を入れる用賀きくち内科 肝臓・内視鏡クリニック院長・菊池真大先生に、消化器の健康と生活習慣の関係を聞いた。
胃腸も肝臓も、「毎日の積み重ね」がそのまま表れる
菊池先生によると、消化器の健康は“毎日の生活そのもの”と深く結びついているという。特に肝臓は代謝の中心で、高脂肪食や過食は胃腸に負担をかけるだけでなく、脂肪肝を進めやすい。運動不足は筋肉量を減らし、代謝低下から便秘や脂肪肝の悪化につながる。さらに、睡眠不足は自律神経を乱して胃酸過多や腸の動きの低下を招き、飲酒は肝臓だけでなく胃粘膜や腸内環境にも影響する。つまり生活習慣は、胃・腸・肝臓をバラバラではなく、“臓器ネットワーク全体”に影響を及ぼしているというわけだ。
「何を食べるか」だけでなく「いつ、どう食べるか」も重要
外食や中食、夜遅い食事、偏食、過食は、胃腸にも肝臓にも大きな負担になる。脂っこい食事は胃の動きを鈍らせ、胃痛や胃もたれ、逆流性食道炎の原因に。食物繊維不足や不規則な食事は腸内環境を乱し、腹痛、下痢、便秘を起こしやすくする。また、糖質過多やアルコールは肝臓に脂肪をためこみ、脂肪肝やメタボの進行にもつながる。菊池先生は「胃腸は“食べた物”だけでなく、“食べ方”にも正直です」と話す。早食い、ドカ食い、夜食が続いていないか、一度振り返ってみたい。

ストレスが胃痛や便秘を招くのはなぜ?
ストレスによる胃腸症状の背景には、自律神経と腸内環境の乱れがある。強いストレスがかかると、自律神経のバランスが崩れ、胃酸が増えたり、胃の動きが低下したり、腸が過敏になったりする。その結果、胃痛、腹痛、便秘、下痢が起こりやすくなる。さらに、ストレスは腸内細菌のバランスも乱し、ガスやお腹の張りを悪化させることもある。腸は「第二の脳」と呼ばれるほど脳とのつながりが深く、ストレスの影響を受けやすい臓器なのだという。
健診結果は“未来の病気”を防ぐヒント
人間ドックや健康診断は、生活習慣の乱れを早く見つける大切な機会だ。超音波や血液検査で脂肪肝や肝機能異常が分かり、胃カメラでは胃炎やピロリ菌感染、胃ポリープ、大腸カメラでは大腸ポリープや大腸がんの早期所見が見つかることもある。菊池先生は「再検査や要精密検査は、“病気宣告”ではなく、未来のリスクを早めに知らせるサイン」と話す。放置せず、次の行動につなげることが大切だ。

今日からできる予防のコツ
予防のポイントは、完璧を目指さず続けられることを積み重ねること。主食の質を見直し、揚げ物や加工食品を減らす、夜遅い食事を避ける、休肝日をつくる、6〜7時間の睡眠を確保する、そして歩くこと。菊池先生は「体重よりも内臓脂肪を意識し、まずは5%の減量でも意味があります」と話す。毎日のウォーキングや筋トレは、腸だけでなく肝臓、代謝、将来の健康寿命にもつながるという。
胃腸の不調は、単なる一時的な不快感ではなく、生活習慣の乱れを知らせるサインかもしれない。だからこそ、薬だけで済ませず、日々の食事、睡眠、運動を見直すことが、いちばんの予防につながりそうだ。
取材協力
用賀きくち内科 肝臓・内視鏡クリニック
院長 菊池真大先生
東海大学医学部客員准教授、医学博士、日本総合内科専門医・指導医、日本消化器病学会専門医・指導医、日本肝臓学会専門医・指導医、日本内視鏡学会専門医 ほか
https://www.youga-naika.com/
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