『業界の闇』増加を続ける中古車売却トラブル 業界団体は「ビッグモーターより悪質な業者も存在する」
底なし沼の様相を呈して来た、ビッグモーター問題。
一方で、全国の消費生活センターなどに寄せられる業界全体の「中古車売却トラブル」も、増加の一途をたどっていることが、トレンドニュースキャスターの取材でわかった。
ビッグモーターより悪質な業者も
国民生活センターによると、2020年度の中古車売却に関する相談は、1,211件。
ところが、2021年度には1,519件と1,25倍に増加した。
2022年度は、1,601件とさらに増加。
この理由について、担当者は「ここ数年の半導体不足の影響による新車販売台数の減少から、新車に買い替える消費者が減り、中古車の登録台数も減少」。
「そのため、事業者は中古車の買い取りに、よりいっそう力を入れており、それがトラブル増加の一因になっている」と話す。
また、車買い取りの事業者団体である、一般社団法人日本自動車購入協会は、取材に対して「もちろん具体的には言えないが、ビッグモーターより悪質な業者も存在する」と語った。
では、どのようなトラブルが実際に起きているのか。
悪質トラブルの実態
国民生活センターには、「査定時に強引に契約させられ、車を持っていかれた」、「契約後すぐにキャンセルと申し出たら、高額なキャンセル料を提示された」など、強引な勧誘やキャンセルのトラブルに関する相談が寄せられている。
2022年9月には20代男性から、「査定のため、午前に1社、午後に2社、自宅訪問を依頼した。午前中に来た事業者からは、査定後、買い取り額として約320万円が提示された」。
「『午後に来る2社の査定額も聞いてから決めたい』と伝えたところ、非常に強引な態度で居座られ、契約するまで帰らない様子だったので、やむなくタブレットに署名して契約」。
しかし、「午後の2社の査定額は午前の事業者よりも高かったため、午前の事業者に断る電話をしたところ、『解約はできない。どうしても解約するのであれば店に来て、免許証を出してもらうことになる』と言われ、その後も20回近く電話がかかってきた」といった相談が。
このような悪質トラブルが、多々起きているのが実態だ。
査定の場では契約しない
なお、車の売却は、特定商取引法におけるクーリングオフの対象外。
そのため、国民生活センターの担当者は「査定の場では契約せずに、一度冷静に考えた方がよい」とアドバイス。
何か不安を感じたら、消費者ホットライン「188(いやや!)」番に、電話するよう呼びかけている。
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