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追悼 足跡を振り返る2022年のお別れ ~上半期~

2022年――

12月、年の瀬となり1年を振り返ると今年も多くの著名人が天国へと旅立ちました。偉大な功績を築いた方、永劫語り継がれる記録を遺した方、彼らは記憶のなかでは今でも生き続け、足跡は心の中に刻まれています。今回は、今年亡くなった方々のエピソードを振り返り、追悼します。

1月

政治家・海部俊樹さん……9日、老衰のため亡くなりました。91歳でした。1960年、衆院選に旧愛知3区で出馬し自民党公認で初当選。その後、官房長官や文部大臣を歴任し1989年に第76代総理大臣に就任しました。また、水玉模様のネクタイがトレードマークでもありました。

漫画家・水島新司さん……10日、肺炎のため亡くなりました。82歳でした。『ドカベン』『あぶさん』『球道くん』など数々の大ヒット野球漫画を生み出した水島さん。草野球も大好きで60歳を超えても年間130試合以上こなすパワフルな人物でした。また若かりし頃、大先輩ですでに日本を代表する漫画家・手塚治虫さんに「君はいいなあ、毎週試合ばっかり描いてればいいんだから」と言われ怒りがこみ上げたことがあるんだとか。

2月

元東京都知事・石原慎太郎さん……1日、89歳で亡くなりました。死因は明かされていませんが、長男の石原伸晃さんが語ったところによるとすい臓がんが再発し、闘病を続けていたそうです。

慎太郎さんといえば作家として一橋大学在学中に小説『太陽の季節』で芥川賞を受賞。以後も『「NO」と言える日本』(共著)、『弟』、『天才』などベストセラーを多く発表。

一方、政治家としては68年、参義院選挙で自民党から初当選。99年には東京都知事初当選。会見などで見せる歯に衣着せぬ発言は話題になりました。

3月

石原慎太郎の妻・石原典子さん……8日、亡くなりました。84歳でした。17歳のとき幼馴染だった慎太郎さんと結婚。朝食には和洋食の数種類用意いていたそう。長男は政治家の伸晃さん、次男はタレントの良純さん、三男も政治家の宏高さん、四男は画家の延啓さんと有名人家族。

夫の慎太郎さんが亡くなり、わずか1か月後の旅立ちでした。

4月

漫画家・藤子不二雄Ⓐさん……7日、自宅で亡くなっているのが見つかりました。88歳でした。本名・安孫子素雄さんは、藤本弘さん(藤子・F・不二雄)とともに藤子不二雄のペンネームで活動し、64年に連載スタートした『オバケのQ太郎』が大ヒット。Ⓐ先生としては『忍者ハットリくん』『怪物くん』『笑ゥせぇるすまん』など多くのヒット作を世に送り出しました。また自伝的作品『まんが道』、その続編『愛…しりそめし頃に…』は43年にわたり継続されました。

俳優・柳生博さん……16日、老衰のため亡くなりました。85歳でした。朝の連ドラや大河ドラマに出演する一方で、クイズ番組『100万円クイズハンター』の司会を務めるなどマルチに活躍した柳生さん。自然愛好家としても知られ「日本野鳥の会」の会長も務めました。また、柳生さんは、柳生新陰流の祖、柳生宗厳の末裔としても知られています。

5月

お笑い芸人・上島竜兵さん……11日に亡くなりました。61歳でした。ダチョウ倶楽部のひとりで、リアクション芸の大家でもある上島さんはテレビやイベントで活躍。その傍らでドラマや映画にも出演し俳優としても評価を得ていました。その人柄は後輩芸人の有吉弘行さん、土田晃之さん、劇団ひとりさんらが無名の頃から慕い、上島さんもかわいがっていたそうです。のちに上島さんを囲み酒を飲むグループは「竜兵会」と呼ばれるようになり、様々なエピソードが生まれテレビ企画にもなりました。

上島さんの葬儀には竜兵会のメンバーも多く集まり別れを偲んだそうですが、上島さん自身が生前から「明るく見送ってほしい」という希望があったため、棺におでんを入れるなど笑いのある別れだったそうです。

6月

歌手・葛城ユキさん……27日、腹膜がんのため亡くなりました。73歳でした。個性的なハスキーボイスを武器に1983年に「ボヘミアン」が約40万枚を売り上げる大ヒット。自身の代表曲になりました。03年にはバラエティー番組に出演し「人間大砲」にチャレンジするも胸椎粉砕骨折するなど大ケガ。しかし翌年には復帰し、元気な姿で歌唱しました。

次回、下半期へ……。

(南城与右衛門)

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