狙いは市場の活性化「アートウィーク東京」国内外にアートの創造性と多様性を発信
一般社団法人コンテンポラリーアートプラットフォームは、世界最高峰のアートフェア「アートバーゼル」と提携し、2023年11月2日(木)~5日(日)の4日間に渡り、日本の現代アートの創造性と多様性を国内外に紹介するための国際的なアートイベント「アートウィーク東京」(AWT)を開催する。
一般開催に先駆け、10月25日(水)にはアートウィーク東京ディレクターの蜷川敦子氏や各種プログラムを手がけるゲストが登壇。概要発表および記者発表会が行われたほか、実際に「AWT BUS」で都内のアートスペースを巡り、「AWT BAR」で提供されるカクテル・フードの試飲など「アートウィーク東京」の一部を体験できるメディアツアーが開かれた。
ソフトローンチ以来、3回目の開催となる本年は、新しい発想による試みとして、日本のアート市場を活性化し、アートに触れる様々な機会を提供するとともに、「『買える』展覧会・AWT FOCUS」といった新企画も盛り込まれている。
東京の現代アートを牽引する美術館やギャラリーなど、都内各地に広がる50以上のアートスペースを結びつける「アートウィーク東京」では、7つのルートを巡回する「AWT BUS」が運行されるほか、本年新たにスタートするプロジェクト「買える」展覧会こと「AWT FOCUS」、気鋭の建築家がデザインするアートな空間でアーティストとのコラボレーションカクテルと新世代のシェフによるオリジナリティ溢れる料理を楽しめる「AWT BAR」、アートの歴史や鑑賞体験への理解を深める「AWT TALKS」など、多彩なプログラムを通じて、東京のアートエコシステムの成長を促進することを目指すイベントとなっている。
「アートウィーク東京」の会期中は、「『買える』展覧会・AWT FOCUS」も開催される。美術史的観点から選定された作品を通じて、日本の近代美術を読み解くキーワードを再考すると同時に、展示される作品はすべて参加ギャラリーを介して購入できるという企画になっている。
企画初回となる本年は、滋賀県立美術館ディレクター(館長)の保坂健二郎氏をアーティスティックディレクターに迎えた展覧会「平衡世界 日本のアート、戦後から今日まで」が、日本現存する最古の私立美術館である大倉集古館にて開催される。
10月25日の記者発表会では、保坂氏が担当した「『買える』展覧会・AWT FOCUS」についての詳細も発表。保坂氏は、「すべてが買える展覧会という、みなさんあまり聞いたことないと思うような展覧会を担当しました。実業家・大倉喜八郎という稀代のパトロンがいたからこそできる大倉集古館という場所で、買える展覧会という新しい形のパトロネージ(芸術への援助)を問う、あるいはそういうパトロンを育てていく展覧会を開催できることが、本当にキュレーター冥利に尽きることです。
今回出品されている作品の価格は一番安くて30万円、高い作品が1.1億円という価格です。価格帯としては、ビギナーの方もお求めやすいものから美術史の中で重要となる作品ものもあります。非常にユニークな展覧会になっていると思います」と、同展覧会の魅力を伝えた。
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