「人工甘味料」はなにが危険なの? 現役医師がそのリスクを解説
糖質を減らしカロリーを抑えるために、人工甘味料はよくダイエット食品に使われている。
カロリーゼロを謳った飲料水や、お菓子、コーヒーや紅茶などに入れる「砂糖の代用品」としても有名だ。
今回は日常的によく利用されている、人工甘味料のリスクについて解説する。
人工甘味料とは砂糖の代替品
そもそも人工甘味料とは、砂糖に分類できない天然あるいは遺伝子組み換えによる、栄養価のない甘味料のことだ。
一般的な人工甘味料として、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、アドバンテーム、スクラロース、ステビアなどがある。
清涼飲料水や、ダイエット効果があるとされる食品などによく含まれている。
一度、食料品の成分表を見てほしい。
意外な食料品にも、入っていることが多いのだ。
人工甘味料の特徴として、カロリーはほとんどないのに、砂糖よりも「数百倍」甘い。
人工甘味料をとらないように注意喚起
今年の5月に、WHO(世界保健機関)が人工甘味料の摂取について警鐘を鳴らした。
ダイエットや体重コントロールを目的に、人工甘味料をとらないことをガイドラインで発表したのだ。
これは、大人、子ども、妊娠・授乳中の女性も対象としている。
長期間、人工甘味料を摂取することで、さまざまなリスクが増えると発表した。
つまり、心疾患や2型糖尿病などの疾患を発症するリスクが高まるのだ。
砂糖の摂取も制限している
WHOの見解として、人工甘味料ではなく砂糖をとるように、とは言ってはいない。
もともとは、虫歯・歯周病や体重が増えてしまうので、砂糖摂取を控えるように提言していた。
その影響もあって、人工甘味料が普及したのだ。
出来る限り天然の食料品から
人工甘味料を砂糖の代わりに摂取したとしても、実際の食生活のクオリティは変わらないという報告もある。
WHOは、砂糖や人工甘味料を摂取するのではなく、ほぼ加工されていない砂糖無添加の食料品や、フルーツなどから糖分をとるよう勧めている。
それらの食料品は、糖分だけではなく、食物繊維やビタミンなどの他の栄養素も同時にとれるからだ。
ちなみに、食物繊維と糖分を一緒にとると、糖分の吸収が抑えられるという研究結果もあるのでおすすめだ。
執筆者:あやたい
医療制度や医療職・医療現場が抱えるさまざまな問題について考える医師。
日々変わっていく医療現場から生の声や、日常に役立つ医療知識を発信したいという思いで執筆。
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