ヒトの口は「雑菌だらけ」の衝撃 動物にかまれた場合の対処法も現役医師が解説
ヒトの口の中には、細菌が多量に存在する。
いわゆる虫歯菌以外にも、さまざまな種類の細菌がいる。
実はペットの犬や猫に比べても、ヒトの口の中の方が汚染されているかもしれないのだ。
今回は、動物にかまれた場合を例に出して解説する。
どんな動物にかまれることが多いのか
日本で、動物にかまれた場合、病院を受診するのは哺乳類かヘビが多い。
哺乳類の中で頻度が多いものは、犬、猫、そして人間である。
実際に喧嘩などでかまれたり、医療現場では患者にかまれたりもする。
感染しやすいのはヒト
かまれて、最も感染しやすいのはヒトである。
その次が猫、犬と続く。
ヒトの歯は、猫や犬と比べても尖っておらず小さい。
それでも、最も感染しやすいという事実から、一番汚いと言っても過言ではない。
腕をかまれたら感染しやすい
実はかまれる部位によっても、感染しやすさが異なる。
手や太もも、口の中にまで到達する傷などは感染しやすい。
特に指の場合だと、関節や腱などが体表面に近いところにある。
ここに雑菌が入ってしまうと、なかなか治りにくい。
雑菌が入ると、身体の中では雑菌と戦う白血球などの成分が血液にのって倒しにいく。
しかし、関節や腱などには血管がほとんどないため、身体を守る成分が届きにくいからだ。
傷口を洗ってすぐに医療機関へ
動物にかまれたら、まずはしっかりと水道水で洗ってほしい。
少しでも雑菌を減らすためだ。
また、その際には傷周りに何か付着していても無理に剥がさないでほしい。
そして小さそうな傷跡でも、速やかに医療機関を受診するのがおすすめだ。
見た目が浅そうな傷でも、病院で診察すると意外と深くまで傷が到達していることもある。
放置しておくと、数日から1週間後程度で、痛くなったり赤く腫れてきたりする。
こうなってしまうと、治療が難しくなる。
場合によっては命に関わることもあり、入院が必要となることも多い。
速やかに受診することで、少しでも感染のリスクも減り、ほとんどの場合通院だけで治療できる。
また、場合によっては、破傷風ワクチンを打たないといけないこともある。
特にヒトにかまれた場合は、感染しやすいので必ず病院を受診してほしい。
執筆者:あやたい
医療制度や医療職・医療現場が抱えるさまざまな問題について考える医師。
日々変わっていく医療現場から生の声や、日常に役立つ医療知識を発信したいという思いで執筆。
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