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『アトムの童』山﨑賢人と松下洸平が描く揺るぎない絆「ここまで来て俺、引き返せねえわ」

自分を裏切っていたはずのかつての旧友が、実は、誰よりも自分のことを思っていた。少々向こう見ずで自由奔放な気のある那由他(山﨑賢人)だが、ともにゲーム作りに励んだ親友・隼人(松下洸平)の真意を知った瞬間、どんな心境だったのだろう。

山﨑賢人さん (画像は山﨑賢人Instagram:@kentooyamazakiから)

橋の上での、必死の説得。「お前と一緒に作ってる時間が、一番楽しいんだよ」ーーこれ以上ないほどの口説き文句だった。しかし、ライバル企業・SAGASとの契約直前まで迫った隼人は、そう簡単には折れない。

『アトムの童』第2話が描き出したのは、少年漫画的“熱き男の友情”だった。

ジョン・ドゥの復活&新生アトム玩具の始動

「ジョン・ドゥ」名義で伝説のゲーム「ダウンウェル」を作り出した那由他、隼人、公哉(柳俊太郎)。しかし、次作開発に乗り出すも資金難に陥る。良かれと思い、大手IT企業・SAGASに出資の依頼をした公哉のミスにより、次作のアイデアがまるまる盗まれてしまった。

この件を機に、責任を感じた公哉は自死。償いのためゲーム作りをやめた那由他と、とある意志でもってSAGASに入社した隼人。「これまでやってきたことを無駄にしたくない」「成功したい」ーーよりにもよって、自分たちを陥れた興津社長(オダギリジョー)の元へ行く理由を問うても、納得のいく答えはくれなかった。

やめた者と、続ける者。相反する二人をかろうじて繋いでいたのは、昔も今も公哉の存在だった。

どうしても、隼人がSAGASへ入社した本当の理由を知りたかった那由他。公哉の母親から、隼人の真意を突き止めた彼は、必死で説得に走る。大事なゲームを盗んだ憎き相手、SAGAS本社の真下で「あれ超える、もっと面白いもん、俺と一緒に作ろうぜ」と訴える那由他の姿に、熱い友情を感じたのは筆者だけではないはず。

一度は「もう引き下がれない」と拒否した隼人だが、後に、三人の思い出のゲームセンターで再会。アレコレと言い合いながら対戦をする那由他と隼人の姿は、現代の言葉を借りて表すなら「エモさ」満点だった。

海は、那由他と隼人の新しい潤滑油となるか

晴れてアトム玩具に入社することになった隼人。伝説のゲームクリエイター「ジョン・ドゥ」の復活であり、新生アトム玩具の再始動となる。

自由気ままで、上手くいかないと停滞しがち、しかしコレと決めたら猪突猛進する那由他の性質。そしてひらめきとアイデアでゲーム作りを促進する“ブレーン”的存在の隼人。真逆の二人は火に油とも言え、だからこそ数年もの間、口も聞かない仲になってしまっていた。

二人を上手いバランスで成立させていたのは、公哉の存在だった。新しく潤滑油のような役割を担う者として、アトム玩具の新社長・海(岸井ゆきの)のキーパーソンっぷりは無視できない。

「崖っぷち女はへこたれてらんないの、甘く見ないで」と威勢よく宣言する様は、那由他と同じエネルギーを感じさせる。かつ、元銀行員である冷静な視点は、アトム玩具の復興に大いに役立つはず。一歩引いて物事を客観視する隼人の性質と似ている。

海が二人の媒介を担うことで、また新たな関係性が生まれるだろう。それがどんなシナジーとなるのか、次回以降も熱く見届けたい。

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