
三井住友カード「Olive」でインフルエンザ保険を近日提供へ オンライン診療と連携、医療データから見る感染リスクも
住友生命保険、JMDC、三井住友カード、ヘルスケアテクノロジーズの4社は、インフルエンザの流行期を見据えた共同プレス発表会を11月4日(水)に開催した。
例年より早いペースで感染が拡大する中、発表会では約1,000万人規模の医療ビッグデータを分析した調査レポートの公表と、金融・ヘルスケアの協業による新たなサービスの取り組みが紹介された。
住友生命が推進する、万が一の保障にとどまらず日々の予防にまで価値を広げる「拡・保険」の考え方のもと、感染への備えから罹患時の相談、受診、経済的な補償までをデジタルで支援する仕組みが示された。

第一部では、JMDCのビッグデータを活用し、住友生命と共同でまとめた「インフルエンザ実態調査レポート」が発表された。2024-2025シーズンの診断発生率は10.91%で、特に5〜14歳の小児で高い発生指数を示した。さらに、生活習慣病の既往と重症化リスクとの関連もみられ、降圧薬の使用者は非使用者と比べ、入院の発生率が1.76倍、重症入院の発生率が2.88倍となった。


家庭内の感染状況では、世帯人数が多いほど複数名が診断される割合が高く、5人以上の世帯では51.4%に上った。集団生活を送る子どもが世帯内で最初に診断される「初発者」になりやすい傾向も示され、家族構成や基礎疾患に応じた感染対策の重要性がうかがえる。

第二部では、三井住友カードの総合金融サービス「Olive」を基盤とした、デジタルヘルスケアの取り組みが紹介された。会員向けサービス「Oliveヘルスケア」では、ヘルスケアテクノロジーズとの連携により、24時間365日対応の医療従事者によるチャット相談や、提携医療機関でのオンライン診療を提供している。
日常的に利用する金融サービスからヘルスケア機能にアクセスできる点が特徴だ。高熱や倦怠感を伴う罹患時に、自宅にいながら相談や診察を受けられる環境は、患者自身の移動負担や医療機関での接触機会を減らす選択肢となる。対面診療が必要なケースもあるものの、発熱外来などの医療現場の負担軽減につながる可能性もある。


こうした医療アクセスを経済面から支える取り組みとして、住友生命グループのアイアル少額短期保険が引き受けるインフルエンザ保険「インフルエンザお見舞い金」を、近日中に「Olive」で取り扱う予定であることも公表された。スマートフォンから最短1分で申し込みができ、保険料の支払いに応じてVポイントが付与される。医師による抗インフルエンザ薬の処方など、所定の条件を満たした場合に治療給付金が支払われる仕組みだ。

トークセッションでは、自身も9月初頭にインフルエンザに罹患したという三井住友カードの小林奈美江執行役員が登壇。高熱を押して通院する大変さや、共働き家庭で惣菜や弁当の購入など突発的な生活費が生じた実体験を語った。数千円単位の出費であっても、こうした費用に対応する少額保険とオンライン診療の組み合わせは、生活者が罹患時に直面する負担への対応策の一つとなりそうだ。
質疑応答では、前シーズンにインフルエンザにかかった人の翌シーズンの診断発生率が低いという調査結果にも触れられた。登壇者からは、その理由について明確な科学的根拠が確認されたものではないと前置きした上で、免疫の持続というよりは、過去のつらい罹患経験から手洗いやマスク着用、ワクチン接種などを徹底する「行動変容」が働いたのではないかという、実感を交えた見解が示された。

感染症対策では、罹患後の経済的な補償だけでなく、日常的な予防や必要な医療へのアクセスも重要となる。今回の4社の取り組みは、ビッグデータによる感染・重症化リスクの分析と、オンライン診療、少額保険を組み合わせたものだ。金融サービスを通じて医療相談や経済的な備えを提供する仕組みとして、今後の展開が注目される。
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