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地方高校の“教育危機”にAI活用 和歌山南陵高校、日本初の「AI評価付きオンライン授業」を導入

地方に“質の教育”を

教師不足に悩む和歌山南陵高校が、オンライン教育大手「メガスタ」を運営する株式会社バンザンと提携し、AIによる授業評価システムを備えたオンライン授業を9月から導入した。同社によると、学校へのAI評価付きオンライン授業サービス導入は国内初の取り組みという。

教師不足が止まらない、地方教育のいま

「教師が足りない」。それは単なる人手不足ではなく、日本の未来を左右する”危機”とも言える状況。2024年には高知県の小学校教員採用試験で合格者の7割以上が辞退するなど、過疎化・少子化に伴い教員確保が困難になっている。和歌山南陵高校も近年、学校存続が危ぶまれる状況にあった。

「AIで授業を可視化」次世代の学び

今回導入されたシステムは、単なる映像授業ではなく、生配信による双方向型の授業を提供。全国4万人の講師陣を抱えるメガスタのノウハウに加え、AIが教師の説明力や生徒の反応を解析し、授業の質を数値化する仕組みとなっている。

「教師の意識も変わる」 学校トップが語る変革の手応え

「最初は帳簿も見られず、施設の修繕も放置されたままだった」
そう語るのは、2024年から理事長を務める甲斐三樹彦氏。
教育の崩壊寸前に立たされた学校を再建するために選んだのが、外部の“プロ”との連携だった。

「外部の力を借りるのは恥ではない。子どもたちの未来のために、今こそ教育改革が必要だ」と話す。AI評価の導入により、教師の意識改革にもつながると期待を寄せる。

同校では9月から一部教科で運用を開始し、2026年度には全校展開を予定している。1995年創業のバンザンは、2025年から学校・学習塾向けのBtoBサービスも本格展開中で、「都市と地方の学びの格差をゼロに」することを目指している。

※日本初について:2025年6月バンザン社調べ。日本国内における「授業評価AI付きオンライン授業サービスの学校導入」として

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