1000℃の鉄球を竹に置いた実験が話題 専門家に「なぜ竹が燃えないのか」聞いた
大阪の企業が、SNS上にアップした「1000℃の鉄球実験」が話題を呼んでいる。
トレンドニュースキャスターは、この実験で「なぜ竹が燃えないのか」についても、専門家に見解を聞いた。
630万表示突破
大阪染織機械株式会社(@osakasenshoku)は、「1000℃の鉄球を竹に置いても、ほとんど燃えないんです。1000℃シリーズ何かと実験している弊社であります」と投稿。
この投稿は5万以上のいいねを獲得し、630万表示を突破している。
業務とは一切関係なし
大阪染織機械株式会社の山本社長は、トレンドニュースキャスターの取材に対して「会社の知名度アップのために、業務とは一切関係がない実験を行ってみた」と話す。
また、「皆さんが知ってそうで知らないことをやってみようと思った。私自身も、果たしてどうなるかという結果に興味があった」と語った。
では、なぜこの実験で、青竹はほとんど燃えていないのか。
専門家の見解は…
(国研)森林研究・整備機構 森林総合研究所の木材耐火の専門家は、取材に対して、「以下の2つの理由であると推測できる」と言う。
①「まず、青竹であるため含水率が高かったのではないかと考えます」。
「タケを含む木材が着火するのは260℃程度と言われますが、水分があると、熱が流れてきても水分 がなくなるまで100℃前後でその部分の温度が停滞します」。
「水を蒸発させるには、かなりの熱が必要となり時間を食います」
②「タケを含む木材は、金属やコンクリートなどと比較して熱伝導率(熱の通しやすさ)が低いため 、鉄球から離れるほど流れてくる熱の量がどんどん小さくなります」。
「さらに、炭化することで元の状態よりも熱伝導率は下がります」。
「そのため、鉄球を置いた直後は上端付近の熱分解により火炎が生じたものの、時間が経つにつれ、熱分解する領域が下に移動して鉄球との距離が離れ、その間の炭化物が熱の流れを阻害するために可燃ガスの出る量が減る、というメカニズムとなります」。
「基本的にはこれら①と②の両方が効いて、割とすぐに火炎が維持できるほどの可燃ガスが出なくなったのではないか、と考えます」とのことだ。
SNS上では、「実に興味深い実験」、「この実験シリーズが楽しみ」など、今後への期待も高まっている。
(取材 小野貴弘)
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