毒舌マエストロ+元天才ヴァイオリニストが出会った「リバーサルオーケストラ」1話レビュー
(※ネタバレ注意)
毒舌マエストロ・常葉朝陽(田中圭)と、元天才ヴァイオリニスト・谷岡初音(門脇麦)が出会い、(ポンコツ)プロオーケストラを再興させていくドラマ「リバーサルオーケストラ」の第1話が放送された。脚本は「リバース」(2017)「最愛」(2021)などを手がけた清水友佳子が担当。音楽はメディアでも大活躍のピアニスト・清塚信也が担当していることもあり、放送前から話題を呼んでいた。
渋い低音ボイスキャラがたくさん!?
ドイツで大活躍中の名指揮者・朝陽が、市長を務めている父・修介(生瀬勝久)に呼び寄せられ、弱小プロオーケストラを再建せよと命を受けた。
誰もが実力を認めるマエストロ・朝陽を演じるのは、ドラマ・映画・舞台と休みなく姿を見る田中圭。他の出演作と比べると、若干ではあるものの、声にドスを効かせていて渋みがある。冷静に淡々と正論を述べるシーンもあれば、感情に身を任せ声を張り上げるシーンもあり、回を追うごとに新たな表現に出会えそうだ。
渋い低音ボイスといえば、本作には声優・俳優としても活躍を見せる津田健次郎も出演。修介のライバルとして、次期市長の座を狙っている本宮雄一役である。そのほか、ドラマ「エルピス」で話題を呼んだ岡部たかし、若手界を牽引する坂東龍汰など、多くの魅力的なキャストが登場するのも、魅力のひとつだ。
ポンコツオーケストラの復活=初音のトラウマ克服?
半ば父親に騙される形で、市のプロオーケストラを再建することになった朝陽。決して悪くはない音を出すのだが、団員たちのモチベーションをはじめ、テコ入れしなければならない部分は多い。朝陽が目をつけた救世主が、門脇麦演じる元・天才ヴァイオリニスト、谷岡初音だった。
幼少期のとあるトラウマから、「もう人前では(ヴァイオリンを)弾かない」と頑なになっている初音。神童として表舞台に出る初音につきっきりだった両親は、妹・奏奈(恒松祐里)の心臓に起こった不調に気づけなかった。それを気に病んだ初音は、もう音楽の代わりに大切な人を傷つけたくない、と意固地になってしまっていたのだ。
有名マエストロから直々に頼まれた願いであっても、ギリギリまで固辞し続けた初音。しかし、いざ問題のプロオケと演奏してみた瞬間、凝り固まっていた心がほどけていくのを実感する。やはり、初音にとっての音楽は楽しいものだ。
プロオーケストラの復活は、初音の(本当の意味での)トラウマ克服と大いに関連がある。今後、どんな波が待ち受けているのか、ドキドキしつつも見守りたい。
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