医師はどこまで「〜するべき」なのか!? 現役医師の想いを告白
医師をしていると、よく、「〜するべきだ」と指摘されることが多い。
当たり前だと思うこともあれば、それはさすがに言いすぎでは?と思うこともある。
今回は、医師だからこそ期待されていることについて紹介する。
いつでも病院にいるべき
医師は、常に病院にいるべきだと言われることは多い。
先輩医師から言われることもあれば、患者や看護師から言われることもある。
理由は、患者の調子が悪くなった際にすぐに対処するためだ。
もちろん理想的には、いつも病院にいることが望ましいが、医師も人間であり休みも欲しい。
また、場合によっては、高給取りなんだから休みなく患者のために働け、と患者自身から指摘されることもある。
医師はお金をもらえるからという理由で、患者のために働いているわけでは決してない。
医師の多くは、お金ではなく、患者のためにできることはないかと考えて働いているのである。
実際にそのように誤解されるのは、非常に辛いのだ。
そして医師に限らず、善意で医療が成り立っていることを是非知っていただきたい。
あらゆる病気をみるべき
医師はすべての疾患を適切に診療できなくてはならない、とよく言われる。
昔であれば、それぞれの病気の内容やできる治療も限られていたため、全てを網羅するのはそこまで難しくなかったかもしれない。
現代医療は、科によって専門性が非常に高くなっている。
そのため、自分の診療科について最新知識、治療方法をマスターするだけでもかなりの労力を要するのだ。
もちろん、ある程度の基本的な病気は、一定の水準で診察できるべきだと思う。
しかしながら、典型的ではない場合や問題が起きた時の対処法などは、正直自信がない。
また、慣れない医師がすべきでない治療法も数多く存在する。
専門分野は、その専門の医師に任せるべきだ。
常に努力すべき
医師にとって重要なことは、日々進歩する医学についていくこと、他職種との良好なコミュニケーション、患者との適切な関わり方などだ。
医師は、医療を提供するという社会的責任と道徳がある。
常に自分を高めていく必要はあるが、限界があるということも事実なのだ。
執筆者:あやたい
医療制度や医療職・医療現場が抱えるさまざまな問題について考える医師。
日々変わっていく医療現場から生の声や、日常に役立つ医療知識を発信したいという思いで執筆。
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