児童書ベストセラーTOP5に全作が同時ランクインした人気シリーズ絵本とは
10月4日に発表されたトーハン調べの週間ベストセラーの児童書部門で、TOP5のうち4冊を同じ絵本作家の人気シリーズが独占いたしました。これはかなりの事件でございます。いったいどんな絵本なのか、気になるところでございます。
その正体は、人気絵本作家の柴田ケイコさまの「パンどろぼう」シリーズでございます。絵本といえば、どうしてもロングセラー絵本が売れる傾向が強いのですが、そんななかで同時に4作もTOP5入りとはゴイスーな出来事でございます。なぜ、そんなことが起こったのか…。
もともと、「パンどろぼう」シリーズは大人気で、先月(9月)に、これまでに出版されていた3作のギフトボックスの発売も発表になっておりました。
シリーズ1作目の『パンどろぼう』(KADOKAWA)は、2021年に最も売れた児童書 (日販調べ)で、「第11回リブロ絵本大賞」、「第1回TSUTAYAえほん大賞」など数々の絵本の賞を受賞。
2020年の4月に1作目が出版されて以来、異例のスピードで、続編であるシリーズ2作目、3作目も出版になっており、絵本としては異例の累計発行部数130万部を突破しております。
『パンどろぼう』(作:柴田ケイコ 出版社:KADOKAWA)
そんななか、先日出版されたのがシリーズ最新作の『パンどろぼう おにぎりぼうやのたびだち』でございます。
『パンどろぼう おにぎりぼうやのたびだち』(作:柴田ケイコ 出版社:KADOKAWA)
この発売にあたり、書店ではこれまでの3作品も一緒に並べて販売していたため、このような4作同時ランクインという現象が起きたのではないかと…。ちなみに、1位に輝いたのは4作目で最新刊の『パンどろぼう おにぎりぼうやのたびだち』。2位はシリーズ1作目の『パンどろぼう』、4位にシリーズ2作目の『パンどろぼうvsにせパンどろぼう』、そして5位にシリーズ3作目の『パンどろぼうとなぞのフランスパン』がランキングされております。
最後になりましたが、この『パンどろぼう』の魅力は、なんといっても斬新というかシュールな設定でございます。そもそも、食パンの格好をしたどろぼうが主人公でございます。子供から大人まで楽しめるシュールさ、笑いのツボを鷲掴みの絵本でございます。大人女子のファンが多いのも納得でございます。
とにかく、普段絵本を読まない大人の方に是非是非、ご体験頂きたい絵本なのでございます。ちなみにもう一冊、最新刊の『パンどろぼう おにぎりぼうやのたびだち』の出版と同時に幻のシリーズ5作目も出版されております。というのは、こちらは絵本ではなく料理本でございます。柴田ケイコさま原作の絵本に登場する「もりのパンや」に並ぶおいしそうなパンを作ることができるレシピ本でございます。こちらも絵本扱いなら、TOP5をすべて柴田ケイコさまが独占!という事態になっていたかも…でございます。
『パンどろぼうのせかいいちおいしいパンレシピ』(料理:吉永麻衣子 原作:柴田ケイコ 出版社:KADOKAWA)
まだ、『パンどろうぼう』未体験という大人の方は、是非是非この機会にご体験頂ければと存じます。
(文:絵本トレンドライター N田N昌)
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。