
緑茶より抗菌力が高い!紅茶ポリフェノール研究結果に注目集まる
一般社団法人ウェルネス総合研究所は、「紅茶ポリフェノールラボ」を発足。11月1日の紅茶の日を前に、最新研究の発表や、紅茶の健康的な価値についてのセミナーが開催された。会では、農学博士、甲南女子大学医療栄養学部医療栄養学科准教授の川畑球一氏、農学博士、静岡県立大学食品栄養科学部客員教授の中山勉氏が登壇し、講演を行った。

一般社団法人ウェルネス総合研究所執行責任者兼フェローの赤坂幸正氏は、「健康美容意識の高まりに、紅茶に関する研究論文も多く出てきています。多様なチャネルで展開されていることから、第3次紅茶ブームは、長期的な流行になっていくのではと考えています」とコメント。緑茶や烏龍茶と比較し、紅茶の健康機能について聞く機会が少ないと感じ、紅茶ポリフェノールラボとして今回のイベントが行われた。

ポリフェノールは、化合物の総称。フェノールを複数持つ化合物をポリフェノールと呼び、天然には8,000種類ほどある。川畑氏は、「ポリフェノールの共通機能に、抗酸化作用が挙げられます。酸素が体内で反応性の高い活性酸素に変化することがあり、これらが過剰に産生されると病気の原因になります。ポリフェノールがこれらの活性酸素に対して水素を与え、酸化ストレスを弱めることができます」と説明。
しかし、ポリフェノールの吸収率は低く、小腸では食事摂取量の10%しか吸収されず、大腸の腸内フローラで吸収されているのではと言われている。約1000種類、約100兆個の腸内細菌を、それぞれ異なるバランスで保有しています。食事や生活習慣などでバランスは変化し、乱れると病気につながる。

最近の研究として、ポリフェノールによるビフィズス菌の高機能化について解説。腸内フローラを整える役割を担っているのではと研究を続けている。また、腸内細菌がそもそも持っている機能をさらに高めるという形で新しい機能を引き出す効果があるのではないかと期待して行った研究では、抗炎症活性を高める結果が確認できている。複数の研究から、「将来、その人に適したポリフェノールを提案できるようになるのでは」と川畑氏は見解を示した。

中山氏は、「紅茶はカテキン類の一部がテアフラビン類に変換し、その後、テアルビジン類が生成されます。緑茶も紅茶もポリフェノールを含んでいますが、ポリフェノールの種類が違います。緑茶にはカテキン類が多く含まれますが、紅茶はカテキン類の割合は少なく、テアフラビン類やテアルビジン類が多く含まれています」と話す。
紅茶をミルクティーにすると、牛乳の脂肪で効果が弱められると考えられていることも明かされた。イギリスでは、紅茶を1日に2杯以上の飲用で血管疾患、虚血性心疾患、脳卒中の死亡率が低下したことが判明。カフェインの影響は見られなかった。また、緑茶より紅茶の方が抗菌効果が高いことも明らかになった。
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