「夏風邪」はなぜ長引くの? この疑問を現役医師がわかりやすく解説
暑さが続くこの時期には、風邪をひく人も多い。
今年はヘルパンギーナが流行しているが、単なる風邪でも症状が長引きやすいのが夏。
今回は、夏風邪の種類や、夏の風邪が治りにくい理由、早く治す方法について解説する。
原因ウイルスは3種類
そもそも風邪とは、ウイルスに感染することで発症する病気だ。
また、季節によって、かかりやすいウイルスは違ってくる。
夏の場合には、アデノウイルス、エンテロウイルス、コクサッキーウイルスが代表的なウイルスだ。
どのウイルスに感染しても、のどの痛み、咳、痰などの症状は出やすい。
アデノウイルスによる風邪は、一般的にはプール熱と呼ばれ、特に高熱や目やに、目の充血などの症状が現れやすい。
エンテロウイルスによる風邪は、口の痛みや発疹が特徴的な症状だ。
コクサッキーウイルスによる症状は、口の中に小さな水ぶくれや潰瘍が左右に現れることが、他の風邪とは異なる点だ。
夏は体力が低下しやすい
夏は、厳しい暑さが影響してそもそも体力が奪われやすい。
また、暑いからといって冷房をかけすぎると自律神経が乱れてしまい、うまく体温コントロールができなくなる。
屋外と屋内で気温の差が大きければ、体温が適切に調節できず、混乱してしまい体力が落ちてしまうのだ。
また、自律神経は胃や腸などの働きもコントロールしているため、乱れると胃腸の調子が悪くなり、腹痛や下痢などが現れやすい。
冷房は28℃ぐらいに設定すれば、体も冷えずに良いと思う。
「夏風邪」原因ウイルスは高温多湿を好む
風邪を発症する一般的なウイルスは、乾燥していて涼しいところで増殖しやすい。
これは、冬をイメージすると分かりやすい。
そのため、特に冬の風邪に対しては、体を温めるのが良い。
しかし、夏風邪に関係するウイルスは、暖かくじめっとした場所を好む。
冬場と同じように対応してしまうと、夏のウイルスはより増えていってしまうため、夏風邪は長引きやすい。
つまり、夏場は、体を涼しくし乾いた環境ですごすのがおすすめだ。
夏は脱水になりやすい
夏は気温が高いため、脱水になりやすい。
脱水になると血流が悪くなるため、ウイルスが体内に侵入してきた際に、戦うための細胞が届きにくくなる。
また、夏風邪は下痢をしやすいため、より脱水になりやすく注意が必要だ。
のどが乾いている状態では、すでに脱水状態である。
のどが乾く前に、定期的に水分を摂取するのがおすすめだ。
執筆者:あやたい
医療制度や医療職・医療現場が抱えるさまざまな問題について考える医師。
日々変わっていく医療現場から生の声や、日常に役立つ医療知識を発信したいという思いで執筆。
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