お茶を飲んで「ほっとする」のはなぜ!? その理由を現役医師が解説
誰しもお茶を飲むと、「ほっとする」感覚を感じたことがあるだろう。
実は、ほっとする感覚が、お茶のどの成分によって出てくるのか研究で分かっている。
今回は、ほっとするお茶の成分について解説する。
テアニンによってほっとする
緑茶には、特有のアミノ酸であるテアニンが含まれている。
ほっとするという感覚は、頭がリラックスしている状態だ。
人はリラックスすると、脳からα波という脳波が出ることが知られている。
テアニンを人が摂取すると、30~40分後に、α波が多くなったという研究があるのだ。
つまり科学的に緑茶を飲むと、脳がリラックスして穏やかな気持ちになると証明された。
甘味・うま味に関係性あり
緑茶を飲んだ時に、ほのかに甘味やうま味を感じることがある。
それを感じさせてくれるのが、テアニンだ。
テアニンは、うま味成分であるグルタミン酸に形が似ている。
グルタミン酸は脳の中で重要な働きをしており、テアニンも何かしら脳の中で効果を発揮していると考えられる。
動物実験では、テアニンは脳の中で、神経伝達物質に影響を及ぼし、学習能力や記憶能力を改善させた。
また、人においても、1日に抹茶2杯、もしくは緑茶で4~5杯飲めば認知症の予防効果があるという研究報告もある。
テアニンはお茶特有のもの
テアニンが含まれる飲み物は、緑茶、抹茶だ。
緑茶の中でも、特に新茶や玉露に多く含まれている。
その他、烏龍茶、紅茶などのすべてのお茶に含まれている。
その一方で、コーヒーや紅茶、ココアなどには含まれていない。
ほっとする以外の効果もある
テアニンには、ほっとさせる以外の効果もある。
身体を興奮させる交感神経を穏やかにするので、いらだちなども改善しやすい。
頭も休ませてくれるので、睡眠障害にも効果があると報告されている。
また、更年期障害の方にもテアニンを毎日200mgとり続けることで、ホルモンバランスの乱れによる不快感が改善すると言われている。
200mgのテアニンは、一般的な煎茶で約1.5Lの量となる。
テアニンを多くとりすぎても現時点では明らかな問題はなさそうだが、お茶にはカフェインなども含まれており、飲みすぎには注意が必要だ。
執筆者:あやたい
医療制度や医療職・医療現場が抱えるさまざまな問題について考える医師。
日々変わっていく医療現場から生の声や、日常に役立つ医療知識を発信したいという思いで執筆。
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