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「アトムの童」最終回レビュー:最後の最後で爆発した伊原(山崎努)の存在感

小山田(皆川猿時)の裏切りにより、任意同行を求められた興津(オダギリジョー)。社長不在で進むSAGASの株主総会で、なんとかプレゼンを成功させ、過半数の株主たちに賛同を得なければならない。果たして、那由他(山﨑賢人)はどう動くのか?

最終回の主人公は山崎努?

またもや仲違いしてしまったように見えた、那由他と隼人(松下洸平)。しかし、隼人はある目的のために暗躍していたのだ。それは、伊原(山崎努)を株主総会に連れ出し、那由他のプレゼンを直接聞いてもらうため。

宮沢ファミリーオフィス側についたと思われた隼人だが、やはり根っこはアトムの、そして那由他のために動いてくれていたのである。思惑は成功。那由他の「ゲームは世界をひとつにする力がある」の言葉が伊原に刺さり、なんとかSAGASは過半数の賛同を得ることに成功。興津をはじめ、役員たちは退陣せずに済んだ。

このときの山崎努の存在感は、とてつもなかった。一言発するごとに皆が注目し、声を出さずともその一挙手一投足に緊張する。ものを言わず目や表情、背中で語る佇まいは、そう簡単に真似できるものではない。

「面白いゲームを作ります」と宣言した那由他と、その言葉にわずかに微笑んだように見える伊原。彼らが握手を交わしたシーンに、ゲーム業界のこれからを見た気さえした。

最後までほっこりさせてくれた、じいさんズ!

裏切りがバレた小山田は捕まり、興津は無事に解放。那由他のプレゼンが功を奏したのか、なんとオリンピック種目に認定されたe-sportsに、新ゲーム「e-parkour journey」が選ばれた。これは、SAGASのゲーム事業が、世間に認められた証拠にもなるだろう。

結果的に、那由他はSAGASに残り、隼人はシアトルでゲーム制作をすることになった。物理的な距離は離れてしまったジョン・ドゥだが、互いに連絡を取り合い、ともにゲーム制作を続けている。これからもふたりは、やり方や場所を柔軟に変えながら、新しいゲームを作っていくのだろう。

そして、やっぱり「じいさんズ」は、最後の最後までほっこりさせてくれた。アトムロイドの開発者である誇りを武器に、3人でe-sportsに挑むチームを結成。そして、そこそこ強い。彼らがe-sports大会でトップに君臨するまでの軌跡を追ったスピンオフドラマを、ぜひ見たいものである。

(文:北村有)

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