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所作を壊さないDXとは? MPAC×S-Pittシリーズの飲食店決済戦略

株式会社エム・ピー・ソリューションとカードサービス株式会社は、新たな飲食店のテーブル決済方法としてクラウド集約型決済サービス「MPAC(エムパック)」と、薄さとデザイン性を兼ね備えた新決済端末「S-Pitt Air(エスピットエアー)」「S-Pitt Mobile(エスピットモバイル)」を発表。それらの発表にともない、2月9日(月)に両社合同で記者発表会を開催した。

両社は、「MPAC」と新決済端末「S-Pitt Air」「S-Pitt Mobile」によって、決済のクラウド化と端末の再設計を同時に進める。高級飲食店で重視されてきたスマートな所作や顧客との距離感を守りながら、運用負担を軽減し、ホスピタリティを損なわないDXの実現を目指す。

発表会当日、新決済端末の「S-Pitt Air」と「S-Pitt Mobile」についてはカードサービス株式会社 代表取締役社長 齋藤賢志氏が登壇し説明した。

「S-Pitt Air」は、手のひらサイズで、非常にスマートかつスタイリッシュなデザインで、一見するとスマートフォンのようだが実際に触れると確かな押し心地を感じられる端末だという。美しさと操作性を両立した端末として作られた。

この端末を開発するにあたって徹底的にこだわった点として、薄さへの追求、手帳型のフルフラットキーパッド、安心できる充電容量、そして落ち着いた色調が挙げられた。薄さについては、決済端末として業界初となる9.9mmを実現。一般的なスマートフォンでは10mm未満の製品もあるが、決済用ソフトウェアを搭載した端末でこの薄さを実現した例は、ほとんどないそうだ。

また、手帳型という形状には意味があり、「Sign on Paper」という所作をデジタルで継承するためだ。フルフラットのキーパッドを採用し、ユーザビリティを追求したハードPINを実装し、視覚に障がいのある方が安心して使用できるようにシリコン製のラバーパッドも用意されている。スマートフォン型のソフトPINでは数字の配置がランダムに変わるが、本端末では番号位置が固定されていて、直感的に操作できる。

バッテリー容量は3000mAhを確保し、業務においても安心して利用できる。色調については、店舗空間に自然に溶け込む、落ち着いたエレガントな風合いにデザインされている。

もう一種類の端末として「S-Pitt Mobile」もあり、こちらはデュアルディスプレイを備え、レシート印刷にも対応したモデル。齋藤氏は「この二つの端末で、市場をリードしていきたいと考えています」とアピールした。

クラウド集約型決済サービス「MPAC」については、株式会社エム・ピー・ソリューション 専務取締役 林和宏氏より説明があった。

MPACでは、端末上で動作する機能をあえて二つに絞っている。一つは、接客サービスを提供するクラウドサービスを表示し、利用者の入力を受け付けるためのブラウザ機能。もう一つは、クレジットカードと決済ネットワークを直接接続し、セキュアな決済を実現する決済機能。

この構成によって、クラウドの柔軟性と、クレジット決済に求められる高いセキュリティの両立を実現した。決済ネットワークには、三菱UFJ銀行が提供する「SP-NET」を採用。分割払いやボーナス払いを必要としない飲食店においては、このSP-NETの高速かつ安定した決済性能が最適であると判断したという。「S-Pitt」シリーズでは、端末から決済ネットワークへ直接セキュアな接続を行う方式を採用している。

このようにサービスをクラウドで動かす設計にした結果、端末は非常に軽量になり、管理も格段に容易になった。クラウドでは端末単位ではなく「店舗単位」で決済を管理する。そのため、どの端末でどの処理を行ったかを個別に意識する必要がなく、シームレスな店舗運営が可能となる。

端末は設定情報をほとんど持たず、すべてクラウドで管理されるため、「この端末をこの店舗で使う」という紐付け作業だけで、すぐに利用を開始できる。繁忙時には他店舗から端末を一時的に持ち込んで台数を増やしたり、万一端末が故障した場合でも別の端末を紐付け直すことで、営業を止めずに継続することが可能。

通信面では、Wi-FiとSIM通信の両方に対応し、Wi-Fi障害時にはSIM通信への切り替えもできる。SIM通信を利用した月のみ費用が発生し、通常時のWi-Fi利用に追加コストはかからない。

また、複数台運用を前提とし、端末はレンタル形式で提供するサブスクリプションモデルを採用。決済にとどまらず、今後はPOS連携によるレシート表示や割り勘機能、領収書対応、多言語表示など、接客全体を支援する機能を順次拡充していく予定とのこと。設定や表示変更はすべてクラウド側で行え、端末へのアプリ更新は不要。

なお、現時点ではSP-NET接続により対応アクワイアラーはJCBおよび三菱UFJニコスに限定され、支払い方法は1回払いのみとなる。FeliCa電子マネーには対応せず、利用可能な端末はS-Pittシリーズに限られる。 「MPAC」と「S-Pitt」シリーズは、単なる決済の刷新ではなく、制度変更や運用負担の中でも、飲食店が大切にしてきた所作やホスピタリティを維持するための基盤として位置づけられている。両社は、決済を起点に、店舗運営と顧客体験の両立を支えるDXの実現を目指していく。

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