ももいろクローバーZが継承する「ゼット」の誓い・・・アニソン帝王・水木一郎から教えられたこと
アニソン帝王・水木一郎さんの訃報に、多くの著名人がSNSなどにコメントを寄せました。そのなかで、ももいろクローバーZの公式ファンクラブHPにもこんなコメントがアップされました。
水木一郎さんへ
「2011年に”ももいろクローバー”から” ももいろクローバーZ”となり、
水木さんから教わった”ゼェーーート!!”が
今では私たちの定番の挨拶となりました。
これからもアニキから継承した”Z”とともにたくさんの人たちに笑顔を届けていきたいと思います。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。」
ももいろクローバーZ
ももいろクローバーZ スタッフ一同
水木さんの決めゼリフといえば『マジンガーZ』の「ゼーット!」。これを使っているのが「ももいろクローバーZ」です。パクったと思っている人も多いかもしれませんが、コメントに「アニキから継承」とあるように、実は本人から「ゼット」のお墨付きをいただいています。どのように伝えられたのか振り返ってみましょう。
衝撃の発表だゼーット!
「Z」が付く前の「ももいろクローバー」は2008年結成。改名は2011年4月10日、中野サンプラザで、早見あかりさんのグループ卒業コンサート終了後に発表されました。
公演が終わるとステージの大モニターにエンディングVTRが流れます。ももクロは舞台裏で観客と同じ映像を見ていました。VTRの最後に「ももいろクローバーは進化します」のテロップ、さらにうっすらとどこか聞き覚えのある「ゼ〜ット・・・ゼ〜ット」の声が。
メンバー「なにこれ、なにこれ?」
そして最後にパンチ力たっぷりの「ももいろクローバー・・・ゼ〜〜〜ット!」、このおたけびとともに、モニターに映る「ももいろクローバー」のロゴに「Z」の文字が飛び込んでくっつきました。これが「ももいろクローバーZ」改名の瞬間です。
メンバー「なにこれなにこれなにこれなにこれーっ!?」
満員の観客はザワザワ。ももクロはパニック状態。改名は上層部のスタッフ以外知らされていなかったのでこのリアクションは当然でしょう。とにかく、新グループ名「ももいろクローバーZ」誕生は水木さんの声で発表されたのです。
なぜ改名したのか? これは、グループにとって早見さんの存在が大きかったので、心機一転する意味で何かアクションが欲しかったから、とのこと。話し合いでグループ名の最後に「Z」を付ける提案があり、「マジンガーZみたいでいいね」という感じで決定。最初は「Z」にあまり深い意味はなかったようです。
ところが、水木一郎さんから深いお言葉を頂戴することになります。
改名から1週間後、「ももクロZ 試練の七番勝負」というトークイベントのゲストが水木さんでした。水木さんはももクロに、「ゼーット」の発声方法や指でZを描いて突き出す「Zポーズ」などを伝授。さらにこんなことも伝えました。
「Zはアルファベットの最後の文字で『究極』、『無限』を表している」。「次はAに戻るので『初心に返る』意味もある」―――。
実は、突然の改名にモヤモヤしていたメンバーもいて、またモノノフ(ファンの呼称)からもたくさんクレームがあったそうです。しかし、水木さんから直々に、「Z」に込められたポジティブな意味を教えられたことで、メンバーもモノノフも吹っ切れて希望を見たように思います。そしてその日から、挨拶の「ももいろクローバー・・・ゼ〜ット!」のおたけびとポーズを自分たちのモノにした感じがしました。そして「ゼ〜ット!」は今や、みんなの心をひとつにする定番の決めポーズとしてたくさんの人に知られています。
余談ですが、水木一郎さんが叫ぶ「ゼッ〜ト!」の声が残る音源は、アニメのOP曲「マジンガーZ」、ED曲「ぼくらのマジンガーZ」、挿入歌「Zのテーマ」などアニメ作品関連で数曲。そして、ももいろクローバーZの「Z伝説〜ファンファーレは止まらない〜」(※「Z伝説〜終わりなき革命〜」の2バージョンある)の曲中にも、本人の声の「ゼ〜ット!」が入っています。ももクロある限り、この曲がライブで歌われるたび、ラジオや有線で流れるたび、「ゼ〜ット!」は鳴り響きます。私たちは水木一郎アニキを忘れることはありません。
「4.10中野サンプラザ大会 ももクロ春の一大事 ~眩しさの中に君がいた~ LIVE DVD」
(このライブを最後に「ももいろクローバーZ」に改名)
(画像はTwitter:ももいろクローバーZマネージャー川上さん @momowgpより)
(石原久稔)
コメント ( 4 )
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分かりやすい説明、ありがとうございましたゼ〜〜〜ット!
いい記事ですな
オーバーチュアの最後に入ってるのも水木さんの声だと思います。
モノノフは水木さんのことを絶対忘れないです。
あ、そうですね
オーバーチュアにも「ゼット!」
ありがとうございます
人はいつか亡くなってしまうけど、
意志や文化は受け継がれる
謙虚さと学びを大切にする方は
何歳でも尊敬できます