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人の心を思い出した瞬間に、興津(オダギリジョー)逮捕!?「アトムの童」8話レビュー

株主総会で、出席株主全員の票を得なければ、買収に追い込まれてしまうSAGAS。株主たちにアピールするため、必死にゲーム作りをするも、進捗は芳しくない。

そんななか、宮沢ファミリーオフィス側についた隼人(松下洸平)は、那由他(山﨑賢人)と完全に対立する立場に。おまけに興津が株主総会直前に逮捕され……?

人の心を思い出し、孫の手を贈った興津

アトムロイドの技術をデジタルに移行するのに手間取っている那由他。ゲーム作りは思うように進まず、リフレッシュのため「ぷよぷよ」をやろうとしたところで、なんと興津がジョン・ドゥの作業場を訪ねてくる。

場の流れで、ともにぷよぷよで遊ぶことになる、那由他と興津。なんとも異様な光景だ。海(岸井ゆきの)や隼人が見たら、眉を顰めるだろう。興津は那由他たちから見たら、因縁の相手で、公哉(柳俊太郎)の仇なのだから。

しかし、ゲームを媒介にしているおかげか、互いの本音を吐露し合う展開に。ジョン・ドゥのゲームを奪ったのも、決して金儲けのためではない、と興津は言う。あくまで、那由他たちがゲームを完成させられなかったときに、代わりにゲームを世に送り出す手助けをするための契約だった……と口にしたのだ。

それが本当なのか、定かではない。そうだとしても、言葉を尽くして説明し、合意を得る道もあったはず。ゲームを守りたい、技術を守りたい興津の正義は理解できるが、やって良いことと悪いことがある。

「俺は嫌われている」とこぼした興津に対し、「それはアンタが人を大事にしてこなかったからだ」と正論を叩きつける那由他。思うところがあったのか、そのあと、興津はSAGASの株主・伊原(山崎努)に孫の手を贈る。

伊原はSAGASの株を大幅に所有しており、彼の持つ委任状さえ回収できれば、宮沢に水をあけられる可能性が出てくるのだ。そんな伊原は、ここのところ体調が悪く、しきりに背中を痒がる様子を見せていた。

人を思い、必要であろうものをプレゼントする営みを、もう少し早く再開させていれば、あるいは……。とも思うが、真っ先に利害関係のある相手に贈り物をしようと考えるあたり、興津らしい気もする。

那由他と隼人の仲は戻るのか?

繁雄(風間杜夫)たちの助けもあり、何とか株主総会までに仕上がったゲームデモ映像。あとは、株主たちの心をどれだけ惹きつけられるか、だが……。

なんと、大事な局面で興津が警察に連行されてしまう!

興津不在で進む株主総会。宮沢ファミリーオフィスは、これを機に興津と現役員の解任を求めるつもりだ。果たして、那由他は無事にプレゼンができるのか。プレゼンの場で、何を語るのか。那由他と隼人が再び手を取り合えるかどうかも含めて、すべては最終回に託される。

(文:北村有)

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