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その胃痛・腹痛、生活習慣の乱れが原因かも? 消化器専門医が教える“胃腸を守る習慣”

最近、胃痛や腹痛、便秘、下痢などの不調を感じることはないだろうか。薬で一時的に落ち着いても、また繰り返す。そんな消化器症状の背景には、食生活や睡眠、ストレスなど、日々の生活習慣が大きく関わっていることがあるようだ。今回は、天王寺やすえ消化器内科・内視鏡クリニックの院長・安江千尋先生に、胃腸の不調と生活習慣の関係について聞いた。

胃腸の不調を招くカギは「自律神経の乱れ」

安江先生によると、近年増えている胃痛や腹痛、便秘、下痢の背景には、自律神経の乱れが深く関係しているという。消化管は自律神経によってコントロールされており、睡眠不足が続くと胃腸の動きが低下し、胃もたれや便秘が起こりやすくなる。さらにストレスに弱くなり、腹痛や下痢につながることもあるそうだ。

また、朝食を抜く、食事時間が日によって大きくずれる、夜遅くに食べるといった習慣も、胃腸のリズムを崩す原因に。加えて、運動不足は腸の動きを鈍らせ、便秘を招きやすくするという。安江先生は「消化器の不調は、胃腸だけの問題ではなく、生活習慣全体の影響を受けています」と話す。

「何を食べるか」だけでなく「どう食べるか」も重要

食生活も、症状を左右する大きなポイントだ。脂っこい食事は消化に時間がかかり、胃もたれや吐き気、胃痛の原因になりやすい。香辛料やカフェインなどの刺激物、アルコールのとりすぎも、胃粘膜を刺激して胃痛や胸やけ、下痢につながることがある。

一方で、便通改善によいイメージのある食物繊維も、とり方には注意が必要だという。不足すれば便秘の原因になるが、急に増やしすぎるとガスや膨満感、腹痛を招くこともある。さらに、早食いやよく噛まない食べ方は、空気を飲み込みやすく、げっぷやお腹の張りの原因になることも。安江先生は「無理な制限ではなく、自分の体調に合わせて整えることが大切」とアドバイスする。


ストレスで起こる「脳腸相関」とは

検査では異常がないのに、胃痛や腹痛、便秘や下痢が続く――。そんなときに関係するのが、脳と腸が影響し合う「脳腸相関」だ。ストレスがかかると交感神経が優位になり、胃では食べ物が停滞して胃もたれや吐き気が起こり、腸では動きが速くなれば下痢、遅くなれば便秘につながる。

さらに、腸の感覚が敏感になることで、通常なら気にならないガスや動きも強い痛みとして感じやすくなる。機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群(IBS)は、こうした仕組みと深く関わっているという。安江先生は「気のせいではなく、体の明確な反応です」と説明する。

症状がなくても、健診で見つかる病気がある

見逃したくないのが、健康診断や人間ドック、便潜血検査の重要性だ。便潜血検査をきっかけに大腸ポリープや大腸がんが見つかることは少なくなく、胃カメラでは胃炎や胃潰瘍、早期胃がん、ピロリ菌感染が分かることもある。血液検査から脂肪肝や肝炎が見つかるケースもあるという。

「症状がない=健康」とは限らない。特に便潜血陽性を放置しないことが大切です、と安江先生。早期発見できれば、体への負担が少ない治療で済む可能性も高まる。


今日からできる、胃腸を守る習慣

予防の基本は、特別なことではなく生活の立て直しだ。食事は「規則正しく・バランスよく・ゆっくり」。睡眠はできるだけ同じ時間に寝起きし、生活リズムを整える。軽いウォーキングやストレッチでも腸の動きは変わるという。ストレス対策として、深呼吸や趣味の時間を持つことも大切だ。

一方で、症状が2週間以上続く、体重減少や血便がある、便潜血陽性を指摘された――そんなときは早めに消化器内科へ。日々の小さな積み重ねが、将来の大きな病気を防ぐ第一歩になりそうだ。

取材協力
天王寺やすえ消化器内科・内視鏡クリニック
https://www.tennoji-naishikyo.com/
院長 安江 千尋 先生(消化器内科専門医)
日本消化器病学会 専門医・指導医 / 日本消化器内視鏡学会 専門医・指導医 / 日本内科学会 総合内科専門医

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