
プロが教える、見る人を惹きつける動画構成術──伝えるだけで終わらせない「表現」の力
「ちゃんと説明しているのに、なぜか最後まで見てもらえない」——。
動画制作を始めたばかりの人ほど、こうした悩みを抱えやすいという。
実際に複数の動画制作者に取材すると、「内容には自信があるのに、視聴維持率が伸びない」「最後まで見てもらえない理由が分からない」といった声が多く聞かれた。
しかし、その原因の多くは内容そのものではなく、「構成」にあると指摘する。
「情報を正しく並べただけの動画は、実はとても離脱されやすい」。
一方で、特別なスキルがなくても「最後まで見たくなる動画」は、きちんと設計されているという。
ポイントは、情報を羅列するのではなく、ストーリーとして届けることである。
以下では、初心者でもすぐに意識できる「惹きつける動画構成」の考え方について、順を追って整理する。
情報を並べるだけの動画が“退屈”になる理由
取材でよく聞かれた失敗例が、「伝えたいことを全部入れようとしてしまう」ケースである。
・前置きが長い
・話題があちこちに飛ぶ
・結局、何が言いたいのかわからない
こうした動画は、視聴者にとって安心して見続けられるものではない。
人は動画を見るとき、無意識に「このあとどうなるのか」「きちんと終わりがあるのか」を予測している。ところが、話の流れが見えないと、その時点で集中力が途切れてしまうという。
ここで重要になるのが、動画の「骨子」である。
骨子とは、動画全体のストーリーの土台のことを指す。これがあるだけで、動画は格段に見やすくなる。
感情を引き込む「起承転結×感情曲線」の設計
動画構成として有効なのが、起承転結をベースにしながら、感情の動きを意識する方法である。
起|最初に「気になる」をつくる
冒頭は説明よりも、興味づけを最優先する。質問や一言の問題提起で十分だ。
例として、
「動画を出しているのに、なぜか最後まで見られない理由を知っているだろうか」
と投げかけるだけで、「自分のことかもしれない」と感じてもらえる。
承|少しずつ理解を深める
導入で提示したテーマを、やさしく噛み砕いて説明する。専門用語を避け、例え話や体験談を交えることで理解は深まる。
転|流れを変える“気づき”を入れる
中盤で一度、視点を切り替えることが重要だ。
「実は○○が原因ではない」「多くの人がここを勘違いしている」
こうした“転”が入ることで、動画にメリハリが生まれる。
結|余韻を残して終わる
まとめでは、答えを押し付けすぎないことがポイントである。
「次の動画で試してみてほしい」といった形で、次につながる終わり方が効果的だ。
見せ場をつくる「カット割り」と「間」
構成は話の流れだけでなく、「見せ方」も重要な要素である。
・話題が変わるタイミングでカットを切る
・少し間を空けてから次の一言を入れる
・重要な部分ではあえてテンポを落とす
これだけでも、動画の印象は大きく変わる。
特に重要なのが「間」である。
ずっと話し続けるよりも、一瞬の沈黙があるほうが、言葉は強く伝わる。プロの漫才やトークが聞きやすいのも、この“間”が計算されているためだ。
最後まで見たくなる動画に必要な「余韻」
「なるほど」で終わる動画よりも、「続きが気になる」動画のほうが、次も見てもらいやすい。
・途中で伏線を張る
・最後に次回のテーマを少しだけ出す
・視聴者に問いを残す
こうした小さな工夫が、視聴維持率やチャンネル評価につながっていく。
動画は1本で完結させるものではなく、次へつなぐ体験として設計することが重要である。
まとめ 構成は「技術」ではなく「思いやり」
惹きつける動画構成は、特別な編集スキルやセンスがなくても身につけられる。
重要なのは、「視聴者はどこで飽きるか」「ここで一度、気持ちを動かせないか」と、見る側の立場を想像することである。
伝えるだけで終わらせず、きちんと“伝わる”動画にするために、
・骨子を決める
・起承転結を意識する
・余韻を残す
まずはこの3点から試してみたい。
動画づくりは、構成を変えるだけで驚くほど変化する。

取材協力
株式会社ネクフル
代表取締役 草薙 俊介
URL:https://necfru.com/
Tel:03-6260-6809
Mail:about@necfru.com
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