京都市交通局の赤裸々な訴えが話題　「年収1,000万円の運転士は存在しません」

慢性的な人手不足に陥っているバス業界。そんな中、京都市交通局の赤裸々な訴えが、SNS上で話題を呼んでいる。

落ち着いて聞いてください

京都市交通局のキャラクター『小野ミサ』さんは、「いいですか、落ち着いて聞いてください。年収1,000万円の市バス運転士は存在しません」と訴えている。

ちなみに、小野ミサさんを描いているのは、京都市交通局の職員だという。

現状を知ってほしい

今回、投稿した意図について、京都市交通局担当者は「20年前は、年収1,000万円を超える運転士が多くいた。しかし今は違う。それを知ってほしかった」と話す。

また、「市民から『高い給与でもらい過ぎちゃうんか』と批判されることがあるので、適正な給与水準であることを示す必要もあった」と語った。

バスの運行に影響なし

では、20年前の約半分の給与になっている現状で、人手不足には陥っていないのだろうか。
担当者は「もともと人手不足の業界。しかし、志望者が全くいないという状況ではない。また、バスの運行に影響も出ていない」と言う。

一方で、SNS上では「安全に関わる部分だし、ヘタな人件費カットは世界的に時代遅れだから、気をつけてほしい」との意見も寄せられている。

京都市交通局は、「給与は20年かけて、段階的に下げている。SNSに掲載しているのは、あくまで平均給与。もちろん年齢によって年収は変わってくる」と述べた。

（文・取材　小野貴弘）