「みんなが100全力で幸せじゃなきゃ嫌だ!」……8LOOMの未来は?「君の花になる」9話レビュー
なる(宮世琉弥)の衝撃的な言葉で終わった前回。「寮を出ていってください」とあす花(本田翼)に突きつけた彼が、ゴシップ写真を流出させた張本人なのか? その点には触れられないまま、あす花は自ら寮を出ていってしまう。
寮を出たあす花、休養を余儀なくさせられる弾
弾(高橋文哉)に何も告げることなく、そのまま姿を消してしまったあす花。本当は、ボイスレコーダーに残されたメッセージがあったのだが、なるの手で隠されていた。あす花からのメッセージを聞いてしまったら、いよいよ弾は8LOOMに戻ってこなくなる……そう心配したからだ。
世間は8LOOMへのバッシングで溢れていた。あることないこと好き勝手な噂がSNSに流されている。スキャンダルを巻き起こした弾はもちろんのこと、ほかのメンバーにまで飛び火が……。社長(夏木マリ)の命により、弾はしばらく休養させられることになった。
実質、あす花と弾は、互いに思いを寄せていることは確かだが、付き合っていたわけではない。それでも、弾が言ったように世間は「こんな小さな幸せも」許さない。励まし合うことさえも、密かに思い合うことさえも。なるの放った「今の弾は、8LOOMに要らない」の言葉が、静かに刺さる。
彼らが陥っている苦境は、驚くほど世間にリンクするところがある。アイドルの熱愛報道が出るたび、そしてそれによる謝罪や脱退騒ぎが起こるたび、私たちは心のどこかでこう問うているはずだ。「アイドルだというだけで、人を思うことは許されないのだろうか?」ーー切実な問いにぶち当たった8LOOMの面々は、もっとも悲しい選択をすることになった。
全メンバーが涙……選んだのは「解散」?
寮を出たあす花は、フリースクールの寮母兼先生となり、新しい生活を歩み始めていた。それを陰から目の当たりにした弾は、涙しながらも、彼女に会うことを諦める。そして、8LOOMのメンバーたちに思いの丈をぶつけるのだ。
彼らには、全員に、やりたいことがあった。もちろん8LOOMというグループが何よりも大切なことに変わりはないが、「映像制作を勉強するために留学したい」「大学院に進学したい」「曲作りをしたい」など、夢や目標は多岐にわたる。互いに腹を割って本音を伝え合った8LOOMのメンバーたち。弾はあらためて、こう告げた。
「みんなが100全力で幸せじゃなきゃ嫌だ!」
「俺たち……解散しよう」
次回、最終回。自分たちの未来のため、解散を選ぶ8LOOMたち。果たして彼らの選択は、正しい方向へと導いてくれるのか。そして、あす花と弾の関係は、どうなるのか?
(文:北村有)
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